あすなろニュース 令和元年12月号

第53回手をつなぐ育成会関東甲信越大会埼玉大会に参加

【日時】
11月9日(土)10時〜16時
【場所】
埼玉会館

【大会テーマ】「この子らを世の光に」?ノーマライゼイションの原点に立って-

午前中は大会式典、全大会での中央情勢報告や大会宣言が行われました。

午後からは分科会があり、3つの分科会(「これからの育成会」、「権利擁護を考える」、「共生社会で生きることを支えるもの」)の内、第3分科会に参加しました。概要を報告させていただきます。

第3分科会「共生社会で生きることを支えるもの」 〜計画相談、成年後見制度、地域への理解啓発〜

講師:又村あおい氏(全日本手をつなぐ育成会連合会政策委員)

共生社会とはどういう社会か

障害者差別解消法では、障害者基本法の基本的な理念にのっとり・・障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全ての国民が、障害の有無よって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重しあいながら共生する社会の実現に資することを目的とする。

共生社会とは、障害のある人もない人も、お互のことを理解・尊重して、イヤな思いをさせずに気持ちよく暮らすことができる地域の実現を目指す社会のこと。⇒近年の障害者施策における基本理念

地域共生社会ってなんだろう

  1. 2017年に「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部決定で示された、今後の福祉の方向性を示す考え方
  2. 社会構造の変化や人々の暮らしの変化を踏まえ、制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受けて」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会のこと
  3. さまざまな生活上の課題を「他人事」ではなく「我が事」とし受け止めるとともに、これまでの「縦割り」的な福祉施策から脱却して「丸ごと」の支援を展開していく仕組み。
  4. 地域共生社会の実現を目指すため、地域福祉計画の機能強化、障害福祉と介護保険の相互乗入である「共生型類型」の導入など、様々な取り組みが展開されている
  5. 障害分野における「共生社会」が掲げる理念の全世代、全対象展開ともいえる。

障害者総合支援法 (地域生活支援事業)

  1. 障害者総合支援法の福祉サービスは、「介護給付」「訓練等給付」「地域生活支援事業」の3種類に分類
  2. このうち、介護給付や訓練等給付は国事業であり、サービス類型や運用は原則として全国一律となっている
  3. 一方、地域生活支援事業については市町村の自由度の高い事業展開が可能(地域における共生を実現するための取り組みを地域生活支援事業として実施することも可能)

地域生活支援事業の活用について

  1. 障害者総合支援法は、理念の中で共生社会の実現を目指すとしている
  2. 共生社会につながる実際の支援サービスとしては、行動援護や移動支援などの外出支援、各種の通所サービスや地域活動支援センター、日中一時支援など通所サービスが想定される。
  3. あまり知られていないが、地域生活支援事業には共生社会の実現に資する事業が豊富に

【理解促進研修・啓発事業(必須)】

障害者等の理解を深めるため研修・啓発を通じて地域住民への働きかけを強化することにより、共生社会の実現を図る。

  1. 障害者等の理解を深めるための教室等開催
  2. 事業所訪問
  3. イベント開催
  4. 広報活動
  5. 上記の形式以外に・・有効な形式により実施する。

【自発的活動支援事業(必須)】

障害者等、その家族、地域住民等による地域における自発的な取り組みを支援することにより、共生社会の実現を図る。

  1. ピアサポート
  2. 災害対策
  3. 孤立防止活動支援
  4. 社会活動支援
  5. ボランティア活動支援、他。

【日中一時支援事業(任意)】

(任意事業とは):
必須事業のほか、市町村の判断により、障害者等が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう必要な事業を実施することができる。【要するに、市町村判断で何でもあり】

障害者等の日中における活動の場を確保し、障害者等の家族の就労支援及び障害者等を日常的に介護している家族の一時的な休息を目的とする。

【社会参加支援(任意)】

レクリエーション活動等の支援、芸術文化活動振興も含まれています。

共生社会の実現に向けて育成会ができること

  1. 地域における障害理解の推進 全国各地で行われているキャラバン隊活動の事例紹介
  2. 異なる障害特性への理解(共生とは知的・発達障害のみにあらず)
  3. 育成会の持つノウハウを地域に還元

等々大変参考になりました。会として話し合っていきたいと考えています。

レスパイトサービスの近況

★11月度の利用状況は下記の通りです。

実施日数:20日
平均利用者数:2.3人/日

第8回定例会実施

【日時】
11月22日金)10時〜2時
【場所】
あすなろ集会所
【参加者】
5名
  1. 第2回神栖市地域自立支援協議会の概要説明
  2. レスパイトサービスの近況について
  3. 各事業の課題について

その他、あすなろ集会所を災害時の緊急避難所としての利用について等話し合う。

手をつなぐ11月号より  特集 知ってほしい!キャラバン隊のこと

地域生活に欠かせない 障害理解を育むために ★手をつなぐ編集委員 又村あおい

全国各地の手をつなぐ育成会や親の会は、知的・発達障害のある人や子どもの権利を守り、当たり前の暮らしを実現するために活動しています。それぞれの時代背景や地域特性を踏まえて、あるときには教育の保障、あるときには福祉サービスの整備、またあるときには虐待や差別の解消を進めてきました。

こうした運動、活動の積み重ねにより知的障害のある人達の地域生活は大きく進展し、少なくとも「入所施設か自宅か」の二者択一しかない状況は脱出しつつあります。

他方で、地域での暮らしがノーマルになればなるほど、知的障害を知らない人との関わりも必要となります。

誰しも経験のあることですが、知らないことに対しては多くの人が警戒心を抱くものです。また、知的障害や自閉症などの特性を知らないことによるトラブルも後を絶ちません。

こうした中、近年になって各地の育成会で注目されているのが「啓発キャラバン隊」です。

平成15年に神奈川県座間市で立ち上がり全国へ広がりつつあります。本年9月時点で全国81団体が活動しており、この数は着実に増加しています。・・

啓発キャラバン隊の意義

まず思い浮かぶのが、知的・発達障害の理解促進です。啓発隊では疑似体験などを実施しています。

これ等の疑似体験は、知的障害や自閉症などの特性を正確に伝えるというより、体験を通じて傾向を伝えることで「自分とは異なる見方や理解の仕方があること」を肌身で知ってもらうことを目的としています。

もう一つは、啓発隊の活動を通じた育成会の活性化です。

啓発隊の活動には、寸劇やレクリエーションといった要素が含まれることが多く、知的障害のある人達と接したことのない地域住民など、これまで育成会活動と接点がなかった人も関わりやすいという特徴があります。

また、啓発隊の活動を通じて若い世代の保護者が育成会への関心をよせてくれた報告もあります。・・

地域社会で障害理解を育む活動は啓発隊だけではなく、会や地域の実情に応じて様々な活動があります。

また、障害者差別解消法や障害者総合支援法では、市町村に対する障害者理解の啓発義務が課せられており、法に基づく啓発活動として位置付けることも可能です。

山形県花笠ほーぷ隊の例

特定の市町の仲間たちだけでなく、県内各地から同じ思いを持つ人たちが集まって活動しています。

立ち上げのきっかけは3年前。障害者差別解消法が施行された都市の権利擁護セミナーに参加したこと。

障害のある人の困り感を疑似体験するワークショップを通し、楽しく知ってもらうことが理解啓発になることを知りました。様々な場所で活動していますが、なかでも特徴的なのは消防学校での授業や警察学校の初任者研修での取り組みです。

知的障害のある人が地域の中で安心して暮らしていくために、消防官や警察官の理解は欠かせません。参加された方からは「救助するときに『自分はあなたを助ける人だ』と理解してもらえるように接したい」「地域警察官として不審者や犯人の検挙・取り締まりばかりではなく、助けを必要とする人を見つけ、手を差し伸べられるようになりたい」といった声もいただきました。・・・

【今後の予定】

●令和元年第1回理事会開催

【日時】
12月13日(金)19時から
【場所】
あすなろ集会所

●第9回定例会の案内

【日時】
12月25日(水)10時〜12時
【場所】
あすなろ集会所

●第2回カラオケ大会の案内

【日時】
1月26日(日)10時半〜
【場所】
むつみ荘 ※詳細は来月号で!!

画面のトップへ戻る