神栖市障害者計画・障害福祉計画の概要
障害者自立支援法が平成18年4月より施行され、その中でサ-ビスの実施主体が市町村に移行されたこと、障害福祉計画の策定が市町村に義務付けられたことから、神栖市でも策定委員会で検討され3月29日に完成しました。概要は以下のごとくです。
※障害者計画と障害福祉計画の関係
神栖市の障害者施策についても、平成14年に「かみす障害者プラン」を策定し、総合的かつ計画的に障害者施策を推進してきました。
障害者計画は、近年における障害者福祉を取り巻く環境の変化を踏まえながら、誰もが人格と個性を尊重しあえる共生社会を目標としたノーマライゼーションの視点に立って、地域に暮らす全ての人が生き生きと生活できる社会の実現を目指して策定するものです。
障害福祉計画は、障害者施策の着実な実施を図るため「神栖市障害者計画」に掲げられた障害福祉サービスに関する実施計画的な位置づけとして策定するものです。
障害福祉計画は、3年を1期として策定するもので、現行の福祉施策が新たなサービス体系への移行を完了する平成23年度末に向けて、第1期は、平成18年度に策定し、平成20年度までを計画期間とし、第2期計画については、第1期計画に係る必要な見直しを平成20年度までに行った上で、平成21年度から平成23年度までを期間として策定することとします。
障害福祉計画の基本指針
本計画において、障害者基本計画と基本理念を共有しながら、次の事項に配慮して具体的な福祉サービスの効果的な実施を図ります。
- 障害者等の自己決定と自己選択の尊重
- 三障害(身体・知的・精神)に係る障害福祉サービスの制度の一元化
- 地域生活移行や就労支援等の課題に対応したサービス提供体制の整備
- 指定福祉サービス及び指定相談支援に関する基本的な考え方
- 訪問系サービスの確保
- 日中活動系サービスの確保
- 福祉施設から一般就労への移行等の推進
- グループホーム等の充実及び入所等からの地域生活への移行の推進
- 相談支援の提供体制の確保に関する基本的な考え方
- 地域生活支援事業の実施に関する基本的な考え方
- 相談支援事業
- コミュニケーション支援事業
- 日常生活用具給付等事業
- 移動支援事業
- 地域活動支援センター機能強化事業
- その他の事業
日中一時支援事業、生活サポート事業等を実施し、障害のある方や障害のある方の家族に必要な支援を行います。
平成23年度の数値目標
- 1. 入所施設の入所者の地域生活への移行
- 現入所者数:118人⇒地域生活移行数:12人
- 2. 入院中の精神障害者の地域生活への移行
- 現退院可能者数4人⇒減少目標数4人
- 3. 福祉施設から一般就労への移行等
- 平成17年移行者数10人⇒40人
指定障害福祉サービス及び指定相談支援の見込み量と方策
1. 訪問系サービスの見込み量と今後の方策
訪問系サービスは、在宅で訪問を受けたり、通所などして利用するサービスです。具体的には、1) 居宅介護、2)重度訪問介護、3)行動援護、4)重度障害者等包括支援があります。
- 居宅介護(障害程度区分が区分1以上の人が対象) 居宅における入浴、排泄、食事の介護などのサービスを提供します。
- 重度訪問介護(障害程度区分が区分4以上の人で重度の肢体不自由者が対象)
- 行動援護(障害程度区分が区分3以上の人で、・・常に介護が必要な人が対象)
- 重度障害者等包括支援(障害程度区分が区分6の人のうち、最重度の知的障害のある人が対象)
訪問系サービスの見込み量
平成18年度、1,577時間/月⇒平成23年度、1,619時間/月
訪問系サービスの今後の方策
障害の特性を理解したヘルパーの確保や養成に努め、サービスの充実を図っていきます。重度訪問介護や重度障害者等包括支援については、サービスの内容の周知徹底を図り、サービス提供事業者の参入を促進し、より質の高いサービスを提供するように努めます。
2. 日中活動系サービスの見込量と今後の方策
- 生活介護
- 対象者
- 常時介護が必要とする人で、障害程度区分が区分3以上の人・・、施設入所者では区分4以上の人、18歳未満については、児童福祉法に基づく施設給付の対象となる。
- 自立訓練(機能訓練)
- 対象者
- 現在の身体障害者更生施設等の利用者が対象。
- 自立訓練(生活訓練)
- 就労移行支援
- 対象者
- 就労を希望する人で、・・雇用型または在宅就労等が見込まれる人。
- 就労継続支援(A型)
- 就労継続支援(B型)
- 療養介護
- 児童デイサービス(肢体不自由児施設等に通わせ、日常生活における基本的な動作の指導・・・)
- 短期入所(ショートステイ)
日中活動系サービスの見込み量
(単位:人日/月、但し療養介護のみ人/月)
生活介護 | 機能訓練 | 生活訓練 | 就労移行支援 | (A型) | (B型) | 療養介護 | 児童デイ | 短期入所 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
H18年度 | 35 | 33 | 82 | 23 | 0 | 0 | 1 | 852 | 548 |
H23年度 | 1,861 | 121 | 258 | 331 | 132 | 682 | 2 | 1,053 | 653 |
日中活動系サービスの今後の方策
地域生活に移行するためには、日中活動の場の充実が欠かせません。
サービス利用希望者の実態を把握するとともに、サービス提供事業者の移行時期を明確にし、利用希望者に情報を提供していきます。 児童デイサービスについては、就学前の心身に発達の遅れのある児童に対して、基本的な生活習慣の指導や社会生活への適応力を深めるための指導により一層の向上を目指し、専門性の確保など事業の充実を図るとともに、適切な情報提供により、事業への展開を検討していきます。
短期入所については、家庭の病気、冠婚葬祭などにより、一時的に介護が出来ない場合、身近で利用出来る施設の確保を図り、障害のある本人などの状況に応じたきめ細かな対応が図れるよう内容の充実に努め、在宅支援の支援に努めます。
3. 居宅系サービスの見込量と今後の方策
居宅系サービスは、入所施設等で住まいの場としてのサービスを行います。
- 1) 共同生活介護(ケアホーム)
- 障害程度区分が区分2以上の人が対象。
- 2) 共同生活援助(グループホーム)
- 地域において共同生活を行うのに支障のない、障害程度区分が非該当もしくは区分1以上の人、・・・が対象。
- 3) 施設入所支援
- 生活介護利用者のうち、区分4以上の人が・・・対象。
居宅系サービスの見込み量
- | 平成18年度 | 平成19年度 | 平成23年度 |
---|---|---|---|
GH、ケアホーム | 5 | 5 | 12人/月 |
施設入所支援 | 2 | 30 | 87 |
居宅系サービスの今後の方策
グループホームやケアホームについては、地域生活への移行の場と考えられることから、今後も地域の理解を深めながら整備を検討していきます。
施設入所支援については、障害程度区分に基づき、必要な人が入所できるように努めていきます。
4. 指定相談支援サービスの見込量と今後の方策
障害福祉サービスが見込まれる人の中で、自ら障害福祉サービスの利用に関する調整が困難な、単身の障害者等計画的なプログラムに基づく支援が必要と認められる人が対象。
相談支援サービスの見込み量
平成18年度 | 平成19年度 | 平成23年度 | |
---|---|---|---|
サービス利用計画作成費対象者 | 0 | 30 | 60人 |
相談支援サービスの今後の方策
地域で生活する障害者とその家族を支援し、自立と社会参加を促進するため、情報提供、利用相談を充実し、サービスの利用援助などを行います。 また、困難事例に対応するため相談支援機関相互の連携協力体制を構築します。
地域生活支援事業の実施に関する事項
1. 相談支援事業の目標
本市では、相談支援事業を適切に実施していくために、自立支援に向けた地域自立支援協議会を設置し、(1) 中立・公平性を確保する観点から、相談支援事業の運営評価等を実施し、(2)具体的な困難事例への対応のあり方について指導・助言、地域の関係機関によるネットワークを構築します。
相談支援事業実施見込み箇所数
平成18年度 | 平成19年度 | 平成23年度 | |
---|---|---|---|
障害者相談事業 | 0 | 2 | 2 |
地域自立支援協議会 | 0 | 1 | 1 |
今後の方策
市民一人ひとりが、その人の実状に合った的確な情報の提供や相談を、身近なところで気軽に受けられるよう地域活動支援センターの設置を検討するとともに、関係機関との連携の強化を図り、総合的な相談・支援体制の充実を図ります。
2. コミュニケーション支援事業
利用見込み者数は省略
今後の方策
視覚障害や聴覚障害等により、情報の取得が困難な人が、日常生活の中で的確に情報提供を受けられるよう事業の充実を図ります。
3. 日常生活用具給付等事業
4. 移動支援事業
社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動等の社会参加のために外出する時の移動の介護を行います。
事業の運営にあたっては、地域の特性や利用者の状況に応じた柔軟な形態で実施します。
見込み数
平成18年度 | 平成19年度 | 平成23年度 | |
---|---|---|---|
移動支援事業見込み箇所数 | 5 | 5 | 7箇所 |
利用見込み者数 | 5 | 7 | 16人/月 |
延べ利用見込み時間数 | 50 | 70 | 150時間/月 |
今後の方策
障害のある人が、社会の様々な分野に積極的に参画し、生きがいをもって生活できるよう介護給付の「外出介護」で利用していたサービス量を維持できるよう移動支援の充実に努めます。
5. 地域活動支援センター機能強化事業
基礎的な事業として、障害のある人等を対象に創作的活動・生産活動の機会の提供、社会との交流の促進等、地域の実情に応じ柔軟に事業を実施する事業です。
見込み数
平成18年度 | 平成19年度 | 平成23年度 | |
---|---|---|---|
地域活動支援センター見込み者数 | 15 | 45 | 45人 |
(H19年度より希望の家)
今後の方策
地域バランスを考慮した設置促進に努めるとともに、健全な運営のため運営費などの助成を行います。
また、心身障害者地域デイケア施設、精神障害者小規模作業所の健全で安定した運営のため、法定施設のほか地域活動支援センターへの移行を積極的に支援します。
6. その他事業
その他事業として、柿の事業について、見込み量を定め取り組んでいきます。
- 福祉ホーム事業
- 訪問入浴サービス
- 生活支援事業
- 日中一時支援事業
- 生活サポート事業
- 更生訓練費・施設入所者就職支度金給付事業
- 自動車運転免許・改造助成事業
- 点字・声の広報等発行事業
- 手話奉仕員研修事業
- 在宅重度身体障害者訪問審査事業
主な見込み数
平成18年度 | 平成19年度 | 平成23年度 | |
---|---|---|---|
日中一時支援事業 | 70 | 77 | 94回/月 |
福祉ホーム事業 | 0 | 2人 |
今後の方策
今後も現行のサービスを維持していくとともに、日中一時支援事業については、これまでの児童デイサービス利用者や日帰り短期入所の利用者の受け皿として、事業所の確保に努めます。
計画の推進に向けて
本計画における障害福祉サービス事業の推進のため、障害のある方のニーズや社会経済環境の変化等を踏まえて、毎年サービス見込み量の達成状況や地域生活への移行が進んでいるか、一般就労への移行が進んでいるか等の達成状況を地域自立支援協議会(H19年度に設置)において点検・評価します。